Posted 2 months ago
番組では「事故直後、スウェーデン政府は食品に含まれる放射性物質の安全基準を設けた。人々が良く食べるトナカイの肉は、1kgあたり300Bq(日本の暫定基準値 500Bqより厳しい値)とされた」と説明し、あたかも「日本の暫定基準値よりも厳しい値であったのにガンが増えた」という印象を与えかねない。
実際には、確かに事故直後にトナカイの肉に含まれるセシウムの量は300Bqと設定されたものの、事故から1年あまりが経った1987年6月1日に、トナカイやヘラジカ、湖沼魚、ベリー、キノコなど「あまり頻繁に摂取しない食品」に限っては1500Bqに引き上げている。そして、この値が現在まで維持されている。事故直後はトナカイの基準値が300Bqと設定されたため、それを上回る汚染を受けたトナカイの肉が大量に処分されたが、1500Bqに引き上げてから廃棄処分にされるトナカイの数が大きく減っている。
ちなみに、トナカイの肉は「スウェーデン人がよく食べる」と番組内で説明があったが、実際はそんなことはない。スウェーデン人一般にとっては食べる頻度、もしくは量の少ない食品であるから1500Bqに引き上げられたのである。
一方、サーメ人は普段から頻繁に食べている。だから、国は基準値設定とは別に、彼らに対して特別の「食事アドバイス」を配布し、トナカイを食べる際にどのような点に気をつけて、内部被ばくを極力防ぐべきかを指導してきた。
したがって、番組のこの部分から何か因果関係を無理にでも解釈しようとすれば、「基準値が1500Bqに設定されたトナカイの肉をたくさん食べたことによって、ガンの発症が増えたかもしれない、という疑いがある」ということであって「300Bqという基準値にもかかわらずガンが増えた」ということではない。
Posted on December 31st, 2011
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